前回の記事では、いびきや日中の眠気が、実は全身の健康に関わる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」のサインかもしれないというお話をしました。「自分も当てはまるかも……」と思っても、次に気になるのは「病院に行ったら、どんな大掛かりな検査をされるんだろう?」ということではないでしょうか。「一晩中病院に泊まらないといけないのでは?」「仕事が忙しくてそんな時間は取れない」と二の足を踏んでいる方も多いかもしれません。しかし、ご安心ください。現在のSAS検査は、「いつもの布団で寝るだけ」から始められる、とてもハードルの低いものになっています。
自宅でできる「簡易検査」の流れ
まずは、ご自宅で普段通りに眠りながら行う「簡易型検査(パルスオキシメトリ)」からスタートします。
- 検査機器の装着: 手首に時計のような小さな装置をつけ、指先に血中酸素濃度を測るセンサーを固定します。
- いつもの環境で: 病院のベッドではなく、ご自宅のいつもの布団、いつもの枕でリラックスして寝ていただくだけで、睡眠中の呼吸の状態や酸素の取り込み具合を測定できます。
- 痛みはありません: 針を刺したりすることはないため、痛みは一切ありません。翌朝、装置を外してクリニックへ返却(または郵送)すれば検査は完了です。
精密検査(PSG)が必要な場合とは
簡易検査の結果、より詳細な分析が必要だと判断された場合には「多機能ポリグラフ(PSG)検査」を行います。
これは、脳波や眼球の動き、筋肉の動きなども含めて、睡眠の「質」をトータルで解析する検査です。
「精密検査=入院」というイメージが強いですが、当院では患者様のライフスタイルに合わせて、より詳細な解析が必要な際もスムーズな連携・ご案内を行っております。
受診から診断までのスケジュール感
「何回も通院が必要なのでは?」という不安を解消するために、一般的なスケジュールをご紹介します。
- 初診(通院1回目): 問診と診察を行います。症状に合わせて、検査キットの貸し出し・説明を行います。
- 自宅で検査: ご都合の良い日の夜に、ご自身で装置をつけて就寝します。
- 検査結果の説明(通院2回目): 解析結果をもとに、医師が診断と今後の治療方針を詳しくお伝えします。
最短で「たった2回の通院」で、ご自身の睡眠の状態を正しく把握し、治療の必要性を判断することが可能です。
呼吸器専門のクリニックだからこそのスムーズな体制
睡眠中の呼吸は、まさに呼吸器内科の専門領域です。当院では、検査キットの手配から結果の解析まで、無駄のないスムーズな診断体制を整えています。
「大掛かりなことはしたくないけれど、最近の眠気の原因はハッキリさせたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。仕事帰りや日々の合間を縫って、最小限の負担で「質の高い睡眠」への第一歩を踏み出すことができます。
次回(最終回)は、診断がついた後、どのような治療を行うのか。「CPAP(シーパップ)」をはじめとした治療法と、それによって生活がどう変わるのかについて詳しく解説します。




